2012年2月3日金曜日

養老孟司氏 「会社におけるバカの壁」 ~世代や組織を超えるコミュニケーション術~

テクマトリックス CRM FORUM 2012での基調講演
https://techmatrix.smktg.jp/public/application/add/40


撮影、録音は禁止との事でTwitterにてリアルタイムメモ。
但し、タブレットのソフトキーボードの調子が非常に悪く、タイプしても認識されにくい文字がいくつかあり、おかげでタイプミスなどもツイートには彼方此方に見られる事と、
単独のツイートのみを読まれる、もしくはRTされる等で、結構過激な発言が私のものと取られかねない事、
また一方で講演内容としては色々と面白いお話だった為、エントリとしてまとめ直しました。

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会社におけるバカの壁~世代や組織を超えるコミュニケーション術~
 養老孟司氏(東京大学名誉教授/解剖学者)


コミュニケーションは日本語に訳せない。

コミュニケーションは人と人がいて情報をやり取りすること?
動くのは人間、情報は固いもので動かない、何度でも再現できる。デジタルのデータや
DNAの様に。
DNAも取り出すとただの粉。細胞の核内以外では役に立たない。
ヒューマンゲノムは4種のアミノ酸の暗号というだけ。
機能遺伝子は1,5%。残りは何をしているのか解らない。


情報になる為には誰かが受け取らなければいけない。
本を読み解いても本はそのまま。読み手が必要。
情報化する能力をリテラシーという。

京都国際マンガミュージアム館長をやっており、私はマンガを読むが
マンガを読まない人はマンガについてよくわからない。
養老孟司氏は少女マンガを読んでも何が面白いのかわからない。少女マンガに詳しい人が何が面白いのかを教えてくれる。

街並みや電車の窓から見る景色など日常の風景も見る人が見れば商売のヒント。
テレビやマスコミは悪くない、見る側の能力がないから
テレビもついてるだけで見なければそのまま。情報になるかならないかは見る側の問題。
日常と結びつけてコミュニケーションや情報を意識していないのでは

伝えなければ自分にとっても情報にならない。
PCの前に多くの人は平均で6時間座っていても、人間の意識があるのは一日の3分の1だけ。
情報処理はしていても意識化しないと情報化できない。

医者は患者の顔を見ない。病院の地図を見せられて、検査室を半日次々回らされるだけ。
丈夫じゃないと病院にこれないと奥さんと話した。
そして検査が終わったら「一週間したらまた来てください」と言われる。
検査結果がわかるのは一週間後。
情報化、数値化は検査任せ、医者はやってない。

情報化は金にならない?
情報処理は金になったが、次は情報化が金になる。
バカの壁は情報化リテラシーの話。

年寄りや昔の人はしゃべらなかった。
エネルギーレベルが低いと体を使うしかなかった。
今では健康の為に無理に体を動かしている。
これまでに人の出していた40倍の外部エネルギーを頭脳労働で出せる。
エネルギーの使いすぎによって人の価値が下がる。
人間を使わずとも石油が代役になる。
筋肉を使わなくなり情報処理しかしなくなる。
今後は情報化、リテラシーをどうするか。

養老孟司氏が話す相手にしたくない人。議長クラスや先生、坊主は人の話を聞かない。
聞いていないことは内容について質問するとわかる。
弁護士は話しやすい。人の話を聴いて仕事に繋げるので。
話す側でなく聞く周りの方に問題。テレビは見なくてもまったく困らない。

終戦の頃に生まれたので、子供の頃に価値観が完全逆転。
あれだけやったのはなんだったんだと子供でも思う。
信用する側が悪かったと知った。
教科書を墨で塗りつぶした。墨は1000年もつし、剥がせない。
自分の書いた本の間違いにも自分で墨で塗りう潰してくれと言う。そういう感覚に育った。

価値観が戦争でなくても変わる例。
赤軍とオウム、内部での殺しあい。
理系で数理論理を学んだ大学生もその中にいる。
養老孟司氏の教え子の大学院生も浅原が水の底に1時間呼吸しないで居ると本気で言っている。
現実とは重み付。
養老孟司氏は虫が好きなので歩いていても虫をよく見るが、馬券は落ちていても興味がない。
普通の人は虫や馬券を見ないでそのまま踏みつける。
それはその人にとって現実でないという定義。行動を変えるものが現実。

私は溺れた経験があるので、それがあれば人が水の中で長時間呼吸をしないということは解る。
そういうのを「修羅場を踏んでいる」という。
歴史にもしはないが原発事故も修羅場を踏んでいる人がいればあれほど騒ぎにはならなかっただろう。
NHKニュースも公平を編成の人が意識して制作しているのだろうが、そうであっても見流す。
他人とは常に視点がずれる。カメラ越しで撮影したものであっても、映像を見るために座っている位置が完全に同じ人は居ない。家庭環境も夫婦、兄弟それぞれで違う。
同じ家庭にいても、それぞれは相手の顔を見ているのだから意見が違って当たり前。
同じ人間はいないのだから性格の不一致、あたりまえ。
性格が違うから理解できないと言って結果、金属バットになるが、同じようにはできないのがアタリマエ。
同じ情報でも各人で受け取り方が違う。
「個性」の定義は「生まれつきのもの」、血液型など。それも赤血球の上の表面抗原、80種類以上ある。
個性を伸ばすって?血液型をそれ以上どうしようもない。

他人と同じ事はできない。
動物の中で人間特有の意識「同じにする能力」。
同じ人はいないが乱暴にヒトというくくりで纏める。
肥大した脳みそが統合制御の為に「同じにする事」を求める。
そうしないと活動できない。
左右の脳が切れると別々に行動。
靴下をはこうとしても10分間も履けない人がいる。外に出たくない自分と、食べ物を買わなければいけない自分。
エイリアンハンド、無意識でドアを閉めてしまう。

年上や若い人、相互に理解するにはバカの壁を下げる。
アメリカ人は頭が固い。進化論と創造説を両方教えろと言う人が50%。
人の意見を聞かない人はエンドルフィンが出る。モルヒネと同じ効果=意見を変えないと気持ちいい。頑固中毒
人は嫌な事は聞きたくない。

戦争に負けて石油が一滴もない時代の人間は原発が止まってもエネルギーが無くても修羅場をくぐってきているから平気。

福島の人はspeedで家にどんな影響があったかは殆どの人が調べていない。(ホント?)

講師をやっていた時の悪い癖、「後はご自分でお考えください」

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・・・とのこと。


ということで、俺も養老氏の話も話半分としか受け取りません(w

そして私見の屁理屈

CCD等で撮影したカメラアングル映像をHMD装着などをしてVR環境で見ることで同じ視点の疑似体験は出来るのでは。

また言語野などはまだしも、右脳が感性、左脳が論理とか過去に教育された俗説似非科学をまだ信じてらっしゃる御様子にて、それは流石に墨で塗りつぶした方がよろしいかと。

そして戦中、戦争直後世代の方々が石油が一滴もなくても大丈夫と豪語されるならば、
オイルショックとは一体何だったのか?


リテラシを磨くべく、ちゃんと話を聞いて情報化し、自分なりに情報処理して疑問点、懐疑点を指摘してみました。